ペッパーランチ物語 | ペッパーランチ

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ペッパーランチ物語

Stage2 加速と失速と

有限会社くに、設立

 一瀬は、まず法人設立を実行。1985年10月、有限会社くに(資本金500万円)を設立登記しました。そして、会社らしい会社の基盤づくりとして、店舗展開を図ることにしたのです。
 1987年11月には両国に『ステーキくに』2号店をオープン。1991年12月には、これまでにないロードサイド型の駐車場付きの大型店舗の形態による『ステーキくに』新小岩店をオープンしました。
 店舗を増やしていくにつれて、一瀬には新たな悩みが出てきました。店が増えるとコックなど従業員の数も増やさなくてはならず、辞められては困るとの思いから自分の意見がきちんと言えない場面が少なくない、そんなジレンマのような歯がゆい悩みでした。
 そんな時、偶然、目にしたのが雑誌「近代食堂」の特殊な鉄板の広告。「一人で20〜30人前の料理ができる魔法の鉄板」というキャッチフレーズにピンと来て、すぐに実物を見て、入手しました。
 そして、ー瀬の自宅ではある時、こんな光景が……妻がこの鉄板に薄切り肉とご飯をのせて夕食に出したのです。それにペッパーと醤油とかけてませながら焼くとなんとも香ばしくおいしい食事ができあがりました。「これはいける!」と確信した一瀬は、すぐに『ステーキくに』向島店で、これを「ビーフペッパーライス」として売り出しました。つまり、家庭の賄い料理がペッパーライスのきっかけだったのです。
 その頃はガスで6分間加熱し、その上に牛肉をのせて提供する方式でした。その後、電力会社や厨房機器メーカーと協力して、鉄板専用の温度がコントロールできる高出力電磁調理器を開発し、あらかじめ鉄板が達する温度(260度)を設定しておけばコックによる火加減が必要なく、自動化できる画期的なシステムが実現したのです。
 これこそが、ペッパーランチの原点であり、今日の株式会社ペッパーフードサービスの発展の基盤といえましょう。試作品第2号は『ステーキくに』両国店に導入、ペッパーランチの原型ができあがっていきました。
 さらに、牛肉の輸入自由化、円高などが追い風となって牛肉の輸入が安く実現でき、国内に安いステーキチェーン店が次々にオープンしていくなど、ペッパーランチ誕生の時代背景が揃ったともいえます。一瀬の頭の中には、吉野家のようなファーストフードスタイルでの安くておいしいステーキの提供というビジネスモデルが組み立てられていました。これならコックは不要だし、もう従業員に気を遣って言いたいことも言えないような風通しの悪い経営もしなくていい。若い人たちは毎日だって肉を食べたいはずだから、安くておいしい肉料理を提供してあげたい。このやり方なら多店舗化だって可能だ……。
  思い立ったらすぐに行動するこの経営者は、このシステムを理解してもらおうと、「国際ホテル・レストランショー」展示会会場の一角を借りて特殊な鉄板と高出力電磁調理器によるデモンストレーションを行いました。
 何千人もの人に試食してもらっても反応は乏しいまま、展示会は終了。その後、たったー人、連絡してきたのが矢島紀男氏でした。展示会最終日のすでに終了間際「蛍の光」のBGMのなか、一瀬のデモンストレーションの場所を訪れた矢島氏にとっても、これはまた運命の出会いだったのです。当時、兄の経営するスーバーマーケットに勤めて25年たっていた矢島氏は、その前にやっていた洋食のコックの経験を活かし、自分の店を持ちたいと思っていました。そのヒントを探しに展示会に足を運び、一瀬のデモを見ているとたちまち、頭の中にこの鉄板を使ったメニューが浮かんできました。それがまさしく一瀬の描いたメニューと一致。お互いに話していくうちにビジネスプランはどんどん具体的になり、ついに3ヵ月後、店のオープンの運びとなりました。
 まだペッパーランチの店が一軒もないなかで、FC加盟1号店の契約を交わしました。モデル店がなくてもこれは必ず成功するという両者の確信がありました。

ペッパーランチ第1号店のオープン

 こうして、1994年7月3日、ペッパーランチの第ー号店が大船で誕生しました。
 ステーキ6品目、サラダなどのサイドメニュー、ドリンクの商品構成で、価格はピーフペッパーライス630円、サーロインステーキ900円、『ステーキくに』の価格の半額を目安に設定しました。
 研修も何もする場所も時間もなかったので、オープン初日から一瀬自ら、大船店の調理を担当し、矢島氏はじめスタッフに実地で仕事を教えていったのですが、初日はなんと500人分のステーキを作ってしまったのでした。これには一瀬自身が篤き、この調理システムの優秀性を体感。一日中立ちっぱなしで疲れた身体を深夜タクシーのシートに沈めながらも、ペッパーランチがいかにすばらしいシステムかをタクシーの運転手にも語り続けるくらい感激でいっぱいでした。
 温度を完全にコントロールし、いつでも同じ温度に加熱できる鉄板に、ポーションカットされた牛肉などをのせてあとはお客様がお好みの焼き加減で食べるだけ。安くて早くておいしい、ファーストフードスタイルのペッパーランチの調理システムを、コックの経験を持っている一瀬や矢島がつくりあげたのです。つまりコックによるコックレス(コックがいらない)調理システムの提案とは、なんともおもしろいバラドックス(逆説)です。

株式会社ペッパーフードサービス誕生

 大舶店は矢島氏がオーナーであるFC店です。
 FCビジネスは、まず本部にモデル店となる店があってこその仕組みなのですが、ペッパーランチは直営店がないまま先にFC店が始まったので、ー日も早く直営店を開きたい気持ちは強まるばかりでした。しかし、なかなかいい物件に巡り合えませんでした。いえ、いい物件はあるのですが、当時の弱小企業にはとても手が出せなかったというのが正直なところ。
 なげいていてもしょうがない、ついに一瀬は、条件の悪さを覚悟の上で浅草に直営店ー号をオープンしました。大船店オープンから約3ヵ月後のことです。
 ふたを開けてみると、言問通り沿いの12坪14席の小さな店は、日々、試行錯誤の連続でした。冷蔵庫が小さすぎて使いにくい、お客様からライスの量が中途半端だと指摘され急きょ増量してみる、など、やってみてわかることばかり。頭の中では完璧だったビジネスモデルは、現場でどんどん叩かれ修正を余儀なくされていきました。しかし、その愚直な努力が実を結び、月商600万円を売り上げるまでの店に成長していったのです。
 一瀬は、このペッパーランチをさらに展開していく決意を込めて、有限会社くにを組織変更し株式会社ペッパーフードサービスと改称し、資本金も1000万円にして、さらなる経営基盤の拡充を図りました。

無謀さが招いたピンチ

 浅草店の成功に自信を持った一瀬は、どんどん出店し商圏を生み出すことが成功への道だと考えて、『ステーキくに』のある向島を中心に、墨田区で1年のうちに8店もの出店を行いました。
 ところが、どの店も売上が低迷し、赤字が膨らむばかり。ペッパーランチのシステムがあれば成功すると思いこんでいた一瀬ですが、店には従業員が必要でありその教育もままならないまま店の数だけ増やしてもお客様が定着するはずもありません。会社は資金繰りにあえぐ事態に陥ってしまいました。
当時の様子を知る。OGMコンサルテイング社長の榊芳生氏は雑誌(FRANJAMARCH2005)でこんなふうに述懐しています。

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 私は当時の一瀬氏の姿を、今も鮮明に覚えている。得意の絶頂から失意のどん底に突き落とされたのだ。だが、私の知る限り、一瀬氏は決して落胆し、疲れた表情を社内に対しても、私たちに対しても見せなかった。実に明るく、元気のいい態度で押し通した。もし、この時点で取り乱していたら、今日のペッパーランチの隆盛を見ることはできなかったであろう。
 一瀬氏は自家用車として所有していた高級車の「シーマ」を売却し、二十万円ほどのオンボロ車に乗り換えた。まず自ら率先して手本を示し、信意を持って社員や取引先に「必ず立て直し、もう一度成功してみせる!」と情熱を込めて語り、説得したのだ。「この店を必ず成功に導く」との信念の基に、社内の一致団結が図られたのだ。
 そして、この苦難の中で、今日のペッパーフードサービスのナンバーツーである松本紘専務、そして芦田秀満本部長や社員たちとの絆が強化されたのである。私は、この挫折が一瀬氏という人物を一回り大きくしたと確信している。(「FRANJA」2005.2.15発行より)
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いちばん大切なのは「人」

 一瀬は、なんとか立て直そうと不振の直営店を社員に売却し、社内FCに切り替えました。そこへ、ある人が「FCに加盟しようと思っていろいろなところを見て勉強してきたけれど、ぜひペッパーランチをやらせてほしい」と言ってきました。唐突で思いがけない申し出でしたが、一瀬はその人にやる気を見出し信じてみようと、不振店の中のー店舗をFCに切り替えて任せることにしました。
 すると、どうでしょう。それまでの2倍弱にまで売上が伸び、繁盛する店になっていったのです。これが石原店の戸子台良夫氏との出会いであり、貴重な教訓を得たきっかけでした。人をろくに育てないまま店舗を急速に拡大して失敗した一瀬は、戸子台氏との出会いにより、人の尊さ、その人のやる気や前向きに挑戦する姿勢があれば必ずその店は成功するということを学んだのです。この精神は今もFC募集における大切なバックボ一ンとして息づいています。

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